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2007年9月

2007年9月24日 (月)

チェコといえば……

「チェコ映画祭」といいますが、みなさんはチェコ映画を見たことがあるでしょうか。
そして、チェコに行ったことがあるでしょうか。
あるいは、どこにあるかご存じでしょうか。

ヨーロッパの真ん中にある国です。
チェコ語が公用語で、1000万人ほどの人口がいます。
海のない内陸国で、ドイツ・ポーランド・スロヴァキア・オーストリアに囲まれ、ビールと音楽が有名です。

クルテク(もぐらくん)をはじめとした児童文学が豊かで、最近はアニメーションなども有名ですが、じつはずっとずっと前からチェコといえば……ほとんどの日本人が知っている話がいくつかあるのです。

チェコのビールが有名。
といっても、これはビール通以外は知らないかもしれません。
日本のビールはおいしいですし、いまはアイリッシュビール、ベルギービールが人気がありますが、そんなビールを日常的に愛飲しているヨーロッパの人たちが安くておいしいと集まるのがチェコであったりします。

チェコでは生中、しかも作りたての地ビールが日本の約10分の1の値段で飲めます。
昼からビールを一杯だけ注文して、オープンテラスでたたずむおじさんの姿もよく見かけます。
首都プラハ以外でも、有名な地ビールが各地にあります。

アメリカの「バドワイザー」という有名なビールがあります。
日本でもパッケージやお店でのキャンペーンガールの服装で知られていますが
あの「バドワイザー」も
そもそもチェコの街のドイツ名「ブドヴァイス(Budweis)」から来ています。

なんとビールの醸造が始まったのは1265年という説も。
日本だと鎌倉時代でしょうか。
プラハにある黒ビールの有名なお店「ウ・フレクー」という居酒屋の創業も1499年。
そのころ日本は応仁の乱とか、室町時代です。
日本史ではそんな揺れ動く武士の時代から、長らく愛されている国民的飲料がチェコのビールです。まさに文化。

「ブドヴァイス」は、いまはチェスケー・ブジェヨビツェという名前で、チェコ南部の大きめの都市です。
日本人でも観光したことがある方が多いかもしれません。
オリジナルの「バドワイザー」は「ブジェヨビツキー・ブドヴァル(リンク先は音が出ます)」という名前で、日本では「バドバー(ブドバー)」という名前で売られています。

フルーティーで飲みやすいと評判のバドバー。
日本でも、都市部を中心におしゃれなカフェや外資系スーパーに置かれています。

10月のチェコ映画祭の行われる横浜美術館から海を見ながらワールドポーターズまで移動すると、27、28日には「横浜チェコフェア2007」が行われています。
おそらくビールをはじめとする名産品も並んでいる予定ですので、あわせてお立ち寄りください!

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2007年9月18日 (火)

上映作品:「野の花」

チェコにもかっぱがいる! という情報をきいたことがありますか。

「野の花」はチェコ版の河童(ヴォドニークといいます)を題材にした、神話を映像化した作品です。

チェコの有名な詩人カレル・ヤロミール・エルベンが作った詩がもとになっています。
19世紀の詩人で、民俗学や書誌学の研究をしながら、有名な詩「Kytice」を書きました。チェコ人なら学校で必ず習うような定番のおはなしです。

チェコでも節分にあたる日や、クリスマスなど季節ごとの行事がもちろんありますが、原作者のエルベンは、当時のチェコの古い民謡やおとぎばなしを集めていたため、まったく新しい文学を考え出すのではなく、自然とチェコの生活に即した詩で「Kytice」を書いたといわれます。

エルベン本人はお酒も飲まず(チェコ人なのに!)、真剣な紳士だったといわれています。
エルベンの詩はバラードと呼ばれるヨーロッパの詩の形式をふまえていて
2部に分かれる長い詩です。

前半は母が子へ注ぐ普遍的な愛情を歌い、後半は祖国がチェコ民族を見守る関係性を母子になぞらえてエルベンが創作したともとれる内容になっています。

「野の花」にも母、娘、そして娘の子である赤ちゃんが登場します。
そしてなにより、ヴォドニーク(vodnik)とよばれる水の精が出てきて、人間とかかわっていくことで物語ができています。

河童として紹介されるヴォドニークは水の精です。
日本の河童とは別物ですが、よく似ています。
チェコの河童は、

・柳の下に座っている
・月夜に靴を縫っている
・緑色の燕尾服、赤いズボンを着ている(赤いズボンは婚礼用)
・この世のものではない
・服や髪が濡れている
・長髪
・水かきがついている

という風情だそうです。
そんなチェコでのカッパの知名度を探るべく、
日本で一番チェコの絵本を取りそろえているチェドックザッカストアさんにご協力いただき、カッパを描いたものをいくつかピックアップしていただきました。

いくつか、のはずが、次から次へと出てくるチェコのヴォドニークの絵本。

(左)魚と仲の良さそうな、水に暮らすヴォドニークですね。
水かきはついていますが、ズボンは赤ではないようです。
(右)バイオリンを弾いています。
さすが、「すべてのチェコ人は音楽家である」という言いまわしがある国チェコです。濡れた感じがよく出ていますね。
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(左)こちらは明るい印象です。カッパも家族がいます。
やっぱり生活は水の中ですが、ちょうど寅さんのような格子柄のジャケットを着ています。
(右)シルクハットのような帽子をかぶったヴォドニークです。
人形がもとになっているのか、チェコアニメでよくみかけるような愛嬌のある顔をしています。
ズボンがボーダーですが、赤が入っています。婚礼間近なのかもしれません。
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……そして、さらに見つけたのが。
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こ、これは恐いですね。
水の中にしか棲めないような、緑一色の生き物です。緑といってもくすんだ緑です。
水かきがかろうじてなじみがある感じがしますが、それもどうなのか。
チェコの河童、ヴォドニークは神話のなかでの存在なので、 もちろん画家によって、ストーリーによって、いろいろな形で描かれています。

でも、これほど長くにわたって、いろいろな本に登場し、ルックスもさまざまながら水のなかで暮らしている存在がチェコにもいるというのが興味深いことですね。

映画「野の花」は、この世のものではないヴォドニークを、 現実の映像のなかに再現しようとした意欲作です。

それから、もう一つ、チェコでエルベンが集めていたフォークロアのなかで
「自分の結婚式の夢を見ると、悪いことが待っている」
「ヴォドニークは3回来る」という言い伝えがあるそうです。

映画のなかでヴォドニークはどんなことをするのでしょうか。

チェコに伝わる伝説の存在。 この映画を見ると、よりチェコの人々の知識や生活に近づけるよい機会になるのではないかと思います。

チェドックザッカストアさん、ありがとうございました!

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2007年9月 9日 (日)

上映作品:「晩秋」

2005年に日本で上映された「晩秋」。
タイトルの漠然とした感じでその当時は見のがしていたのですが、
見た人が誰しも「よかった」というのが「晩秋(Babi leto)」です。

「Babi leto」という原題は、いわゆる日本でい小春日和の秋模様をさすようですが、単語だけみると、「晩年の夏」とでも訳すべきいいまわしです。

登場人物は、人生晩年を生きる老夫婦が主人公。
おじいさんおばあさんの話はなかなかピンと来ないかもしれませんが
人生の最期をどう終えるかという話は、超高齢社会の日本でもそろそろ考えられていいのかもしれません。
関係ないしなー、興味ないしなーと思ったかもしれませんが、ここまで緻密にチェコを舞台に描かれた映画は見終わったあとに、安堵のような、満足感のような、不思議な気持ちでいっぱいになります。

おじいさんのほうは、年寄りだからってバカにされないように、といいながら、あたかも金持ちであるかのようにふるまって業者を手玉にとったりしている、年金暮らしのやんちゃな男性。
おばあさんのほうは、日々届く訃報の手紙やお墓のデザインを見て、「これはダサイわね」とかっこいい死に際をいまから計画していこうとする女性。
おじいさんの遊び呆けているさまに、おばあさんはいつも小言を言っているのですが。

その二人に、高齢者向け施設へと引っ越しをする話がふってわいてきます。

いつまでも年をとることを認めたくないおじいさん。
年をとったことを認めて、そのあとをどう生きるかを日頃から考えるしっかり者のおばあさん。

このおばあさん役は「コーリャ 愛のプラハ」で、主人公フランタの実母を演じた女優ステラ・ザーズボルコヴァーです。
すっかりおばあさんですが、しっかりとした口調やきっぱりとしたふるまいは、「コーリャ」に出てくるチェコ人の誇りや温かくも厳しいお母さんを思い出させてくれます。

息子役にはやはり「コーリャ 愛のプラハ」で墓掘りをしていた主人公の友達役、「ダーク・ブルー」でも主要な役どころの俳優オンドジェイ・ヴィエトヒーが出てきます。

そして、何より主人公のおじいさんは、この作品の公開後、惜しくも亡くなってしまいましたが、60年代のチェコスロヴァキア映画華やかなりしころの、シュヴァンクマイエル映画やヌーヴェル・ヴァーグ映画に多数出演経験のある役者ヴラストミル・ブロツキーです。
先日来日し、いま原宿で展示が行われているヤン・シュヴァンクマイエル監督の映画にもかつて出演していたという俳優です。
これだけでも、俳優ブロツキーの懐の深さや、ただの役者というだけではないところが感じとってもらえることでしょう。

チェコ映画を支えた俳優による、まさに生と死と友情と愛情とお金と。
商業化いちじるしいプラハを背景に、楽しく生きる、気高く生きるということを
年齢に関係なく呼び覚まされるストーリーになっています。

長く生きているということは、たくさんの経験や知識をもっているということでもあります。
「人は生きたままでも死ねるのよ」
映画のなかに出てくるなんとなしのセリフが、日本のなかに暮らす私たちにも、じんわりとしみこむ名作です。
お見逃しなく!

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2007年9月 5日 (水)

上映作品:「バカンス」

今年の上映作品はチェコ映画7本、日本映画1本です。
全体に通じるテーマは「旅路」といえるかもしれません。

映画祭スタッフの一人がチェコの旅行中に映画館で観て、どうにかして日本でも観られる機会を!と思っていたところ、実現したのがこの「バカンス」です。

「バカンス(Ucastnici zajezdu)」は、チェコからヤドランというクロアチアの海岸の町までバスツアーに参加した一行の物語です。

海のないチェコに住む人が、夏休みにとっておきの旅行をするとなれば、白い砂浜に青い海。
理想的な夏休み。

そんなバスツアーにはさまざまな参加者がいました。
一夏の経験に期待する若い女子二人組。
ハンサムな男の子のグループ。
不仲の中年夫婦と、その仲を取り持とうとしたような娘さん。
おばあさんと付き添う女性。
海オタクらしきシャイなメガネ男子。
落ちぶれた歌手。
それぞれが、「バカンス」の空気にちょっと浮き足立って、本人は気づかないながらもなんだかコミカルになっちゃっています。

海、旅という非日常に、「何かがあるんじゃないかな?」と思っているワクワクな人も、そんなにワクワクするのもねってシラケてみせる人も、相方にシラケられた人も、みんなの気持ちに共感する、とてもすてきな映画です。

ぜひ海沿いのみなとみらいエリアで観てほしい一本です!

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2007年9月 3日 (月)

2007年の上映作品

2007チェコ映画祭 in Yokohama のチケットはチケットぴあで前売りが始まっています。
上映作品のチケットをお求めのうえ、ご鑑賞いただけます。
(当日券もございます)

会場はいずれも横浜美術館・レクチャーホールです。

■2007/10/26 (金)
10:30AM  上映作品:ギンプル   半券で同日開催の「シンポジウム」に参加可。
1:00PM 開会式
1:30PM シンポジウム 「チェコと日本 映画づくりの魅力」
    (トマーシュ・ヴォレル監督・奥田瑛二監督ほか)

3:15PM  上映作品:長い散歩(奥田瑛二監督作品)
                半券で同日開催の「シンポジウム」に参加可。
6:00PM  上映作品:郊外へ    半券で同日開催の「シンポジウム」に参加可。

■2007/10/27 (土) 
10:30AM  上映作品:スクシーテク
1:00PM  上映作品:郊外へ
3:30PM  上映作品:野の花
6:00PM  上映作品:バカンス

■2007/10/28 (日)
10:30AM  上映作品:晩秋
1:00PM  上映作品:厳重に監視された列車
3:30PM  上映作品:バカンス
6:00PM  上映作品:ギンプル

チケットぴあではPコード553-179、または「チェコ映画祭」で検索すると、
同じ情報が見られます。
チケット、ご鑑賞のスケジューリングにご参照ください。

すでに日本で上映されたものから、今月チェコで公開される新作まで多彩です。
作品名はチェコ版オフィシャルサイト、ニュースサイトにリンクしています。

日本語でのご紹介は、このブログでアップしてまいります。

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2007年9月 1日 (土)

2007チェコ映画祭 in Yokohama 開催!

こんにちは!

2006年10月に、チェコの人気監督ヤン・フジェベイク氏を迎えて、
開催した「2006チェコ映画祭 in Yokohama」。
平日の開催にもかかわらず、多くの方にご来場いただきました。

2007年はさらにパワーアップしたチェコ映画祭が開催されます。

今年公開されたばかりの映画、
アカデミー外国語映画賞受賞の名画、
チェコ人なら誰でも知っている映画などが日本語字幕付きでスクリーンで見られる年に一度の機会です。

ぜひ、ご都合をあわせて、みなさまにご覧いただきたい作品をそろえました。
秋のよい季節に、横浜みなとみらい地区まで足をお運びください。

このブログでは、
スタッフの日記や映画のおすすめポイントなど
臨場感たっぷりに、チェコの雰囲気や映画の魅力をご紹介する予定です。

開催要項はこちらです。

日 程 :2007年10月26日(金)・27日(土)・28日(日)
     1日4本上映。合計8作品(うち、日本初上陸の作品2本)

場 所 :横浜美術館・レクチャーホール

チケット:一般 / 前売り券900円(当日券1000円)
     学生・18歳以下・シニア / 前売り券800円(当日券:900円)
     前売り券はチケットぴあにて発売中。(Pコード 553-179)
     当日券は、横浜美術館レクチャーホール受付にて販売いたします。

問い合わせ先:
     Czech-Japan Film Festival 実行委員会事務局
     Tel 03-3400-8129(事務局直通:080-6612-3222)
     E-mail cjffec@gmail.com

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